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ロートアイアン

ロートアイアンの世界

ロートアイアンの英語表記は「WROUGHTIRON」。WROUGHTとはWORKの過去完了形で、仕事を施された鉄、という意味を持ちます。無機質な鉄を人の手によって火にかけ、ハンマーで形成することで温かみが感じられる有機的なものに変化させる、それがロートアイアンです。鉄は個性のある木とは違って、誰に対しても平等。しかし一筋縄ではいかないところに面白さや醍醐味を感じています。最近では機械で大量生産された商品が多いですが、本物と見比べるとその差は一目瞭然でしょう。ロートアイアンは本来、オーダーメイドの世界。オリジナリティを求めるお客様にとっては自己表現の手段にもなります。時間はかかりますが、お客様の好みに合わせた、世界でただひとつの装飾品なのです。

ロートアイアンのドアハンドルの写真
ロートアイアンの手すりの写真

ロートアイアンと家作り

タカギデザインの家作り同様、ロートアイアンも納得ができるものを目指して、一から施主様と作家がともに創りあげていくものと考えます。オーダーメイドとなると値段を気にされるお客様も多いですが、ご想像よりも安い値段で仕上がる場合がほとんどです。しかし鉄を触った経験のないお客様にとって、やはりロートアイアンは敷居が高いと思われるかもしれません。例えば、城陽のS邸の場合、僧侶というご主人のご職業をイメージした外壁の装飾品(妻飾り)以外に、エントランスの部分に飾るオブジェをご家族全員の手で制作していただきました。ペンのような工具を使って鉄に絵を描くという簡単なものでしたが、家作りに自らも参加することでご家族それぞれのマイホームに対する愛着が増すというのも、ロートアイアンを家作りに取り入れる良い点ではないでしょうか。またロートアイアンを実際に体験していただくことで、今まで積極的に触れることのなかった「鉄」という素材に対して興味を持つ、ひとつのよい機会になればと思っています。

手作りの楽しさを子供たちに

「村の鍛冶屋」という童謡でも歌われているように、かつてはどの町にも鍛治屋はいたものですが、現在の日本で鍛治屋は遠い存在になってしまいました。建築金物を制作する一方、地方都市で開催されるクラフトフェアで子供たち相手の体験教室を開くなど、ロートアイアンの普及活動にも力を入れています。昨年の冬には、私の工房がある高島市の建設された交流施設「たいさんじ風花の丘」で使用する手すりの制作に地元の小学生と取り組みました。鉄と触れ合うことでひとりでも多くの子供たちが手作りの楽しさや温かみを知り、鉄を身近な存在と感じてもらえると本望です。

体験教室の様子の写真
青山裕次の写真
青山裕次プロフィール

埼玉県での修行を経て、2005年高島市のマキノ町にアトリエ「火造鍛造(ひづくりたんぞう)」を設立。ロートアイアンの本場であるオーストリアのイブジッツ村と日本との交流にも深く貢献している。